冒険Lancers

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ブラック「1日目」

あの日見たブラックの名前を僕たちはまだ知らない。(匿名クエストのため)

ある日のこと

恒例の急募掲載。

朝までにクエストを終わらせてください

なんらかの事情があり明日には結果を出さなければならないのだろう。これは大変そうなクエストだ。そして、

報酬が他とは比べて良かった

過去にこの手のクエストで何度も失敗をしているが、また手を出してしまう。

話を聞く限りは問題なかった

モンスター討伐方法についても具体的に提示してくれる。報酬も問題ない。今回は朝までになんとかしなければいけないという時間制限だけが問題であった。

これならなんとかいける

少しでも早く完了させるため私は、今まで以上に迅速に対応をすべくとっておきのアイテムを用意していた。

AGI(アジリティー:素早さ)を一時的に強化することができるレアアイテムだ。が、しかし・・・

依頼者も同行し、監視される

という初めての体験をすることになる。

依頼者からすると「不明点が出た時に迅速に対応ができるように私も一緒に同行します」との理由だった。朝までという時間制限がある以上これはしょうがないと、

その時はそれで納得してしまった・・・

いざ討伐に向かう。すると、

  • 「このモンスターは倒せますか?」
  • 「こっちのモンスターもついでに倒してください」
  • 「道を間違えましたやっぱりこっちの道に行きましょう」
  • 「朝までに間に合いますかね?」
  • 「伝え忘れていましたこれも必要なんです」

などなどずっと話しかけてくる。集中できない。

邪魔だった・・・

途中で私は一時的にではあれ、話を聞かずひたすらモンスター討伐をした。最初からこうできれば早かったのにと何度思ったことか。そしてまさかの、依頼内容自体にもれがあったためクエストを進めていけばいくほどクエスト内容が変わってくる、というハプニングまで発生した。

よくこの内容で朝までになんとかしようと思ったものだ。

わたしでなければこれつんでたよ

とか思いながら朝を迎える。なんとか終わったのだ。そして翌日・・・

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by 丑嶋馨